夫の教えるA~Z
N 病院へ行こう(下)
ピーーポーー…ウーー…
ガラガラガラッ
バイタルチェック!
酸素吸入ッ、急いで!
先生、心拍数が…
心臓マッサージ開始!
1、2、3っ
ダメだ。
ピーーーーー…
「14時30分…心肺停止、残念です…」
『使用中』の赤いランプが消えたICUから出てきた医者が、残念そうに首を振った。
「そ、そ…んな…」
ガクリと膝を落とした私は、ドアの閉じかけたそこへスルリと滑り込んだ。
「あ、君!」
「あ、アキト……さん」
白い布の掛かった顔。
私は、白いシーツの掛かった身体に縋った。
「い、嫌ぁ。お願いだから…死なないでぇ~」
四肢がまだ温かい。
「お願いよぉ、何でもするから。
オカズに椎茸は出さないし、
エアコンの設定も28℃から下げない。
前にダメって言った××××も、
もう何だってするからぁ……ぐすっ」
祈る形に組まれている手をほどくと、右手を両手で包みこむ。
「ああ…あんなにキレイだった手が…
こんなにシワシシワに萎んでしまって
…辛かったのね…」
それをそっと持ち上げると、頬に擦り寄せた。
ガラガラガラッ
バイタルチェック!
酸素吸入ッ、急いで!
先生、心拍数が…
心臓マッサージ開始!
1、2、3っ
ダメだ。
ピーーーーー…
「14時30分…心肺停止、残念です…」
『使用中』の赤いランプが消えたICUから出てきた医者が、残念そうに首を振った。
「そ、そ…んな…」
ガクリと膝を落とした私は、ドアの閉じかけたそこへスルリと滑り込んだ。
「あ、君!」
「あ、アキト……さん」
白い布の掛かった顔。
私は、白いシーツの掛かった身体に縋った。
「い、嫌ぁ。お願いだから…死なないでぇ~」
四肢がまだ温かい。
「お願いよぉ、何でもするから。
オカズに椎茸は出さないし、
エアコンの設定も28℃から下げない。
前にダメって言った××××も、
もう何だってするからぁ……ぐすっ」
祈る形に組まれている手をほどくと、右手を両手で包みこむ。
「ああ…あんなにキレイだった手が…
こんなにシワシシワに萎んでしまって
…辛かったのね…」
それをそっと持ち上げると、頬に擦り寄せた。