夫の教えるA~Z
よーし、いいぞ?
ほくそ笑む私。
しかし、今度も彼は私の考えとはまったく別の反応を返した。
「そっか。
なら、その時そこで擦れ違った、見知らぬ他人の俺たちが。
その1年後に同じ職場で出会って、今一緒にいるんだな」
ほ、ほぇ?
穏やかな微笑みに、つい毒気を抜かれた私は、キョトンとして彼を見上げた。
「でも去年の今頃は、まだ別々だったよな。
俺は一人で残業してて、君がどうしてたかも知らない。
だけど、覚えてるか?
2年前は君と俺、一緒に過ごしたんだ」
……エ、そうだっけ?
「やっぱり。忘れてたって顔してる」
彼は私の顔色を読むと、軽く睨んだ。
「……今だから言うけど。
実はあの時から俺、君が好きだった」
「ウソ!」
思わず声がでた。
マジマジと彼を見た私に、彼は照れ臭そうに顔を赤らめた。
「……ホント。
参ったよ、フツーは誘った時点でイケそうどうかは分かるのにさ、お前鈍感すぎ。
全然気付かないんだから」
うっ、
だっていっつもお説教ばっかされてたし、そんなそぶりはこれっぽっちもしなかったし。
「そりゃあ、時には調子に乗るし。
君のことも、まだまだ知らないことがたくさんあるけど…」
彼は、私に一歩近づいた。
ほくそ笑む私。
しかし、今度も彼は私の考えとはまったく別の反応を返した。
「そっか。
なら、その時そこで擦れ違った、見知らぬ他人の俺たちが。
その1年後に同じ職場で出会って、今一緒にいるんだな」
ほ、ほぇ?
穏やかな微笑みに、つい毒気を抜かれた私は、キョトンとして彼を見上げた。
「でも去年の今頃は、まだ別々だったよな。
俺は一人で残業してて、君がどうしてたかも知らない。
だけど、覚えてるか?
2年前は君と俺、一緒に過ごしたんだ」
……エ、そうだっけ?
「やっぱり。忘れてたって顔してる」
彼は私の顔色を読むと、軽く睨んだ。
「……今だから言うけど。
実はあの時から俺、君が好きだった」
「ウソ!」
思わず声がでた。
マジマジと彼を見た私に、彼は照れ臭そうに顔を赤らめた。
「……ホント。
参ったよ、フツーは誘った時点でイケそうどうかは分かるのにさ、お前鈍感すぎ。
全然気付かないんだから」
うっ、
だっていっつもお説教ばっかされてたし、そんなそぶりはこれっぽっちもしなかったし。
「そりゃあ、時には調子に乗るし。
君のことも、まだまだ知らないことがたくさんあるけど…」
彼は、私に一歩近づいた。