夫の教えるA~Z
「…さーん、おーい、アキトさーん」
はっと気がつけば、小さな愛らしい掌が俺の目の前を行き来している。
「悪い、ボーッとしてた。何?」
「あ、ううん。箸からカツが落ちてたからさ…お口に合わなかったのかな~って」
「あ、ああ、違うよ。
うん、美味しい。トーコの作るゴハンはいつも…ん~、今日は特に、酸味と甘味が効いて」
反応を期待していたのか、途端にトーコは瞳をキラキラさせた。
「おーっと、そこに気がつきましたか。
フッフッフ。実はですね、今日のは、トーコ特製、手作りポン酢で味付けしてあるのです!」
「へえ、ポン酢って自分で作れるもんなんだな」
ぱくっ。
トーコの売り込みに乗って一口、カツを頬張る。
美味しい。
トーコの俺への愛がこもっていると思うと、なお美味しい。
ならば、せめてものお礼に、今夜も特別に可愛がってやらないとな。
うんうん。
一人で納得していたところ、
「あ、そういえば。
これ、夏子お姉さんに教えて貰ったレシピなんですよ?」
「なっ、…何だってぇぇっっ?!」
はっと気がつけば、小さな愛らしい掌が俺の目の前を行き来している。
「悪い、ボーッとしてた。何?」
「あ、ううん。箸からカツが落ちてたからさ…お口に合わなかったのかな~って」
「あ、ああ、違うよ。
うん、美味しい。トーコの作るゴハンはいつも…ん~、今日は特に、酸味と甘味が効いて」
反応を期待していたのか、途端にトーコは瞳をキラキラさせた。
「おーっと、そこに気がつきましたか。
フッフッフ。実はですね、今日のは、トーコ特製、手作りポン酢で味付けしてあるのです!」
「へえ、ポン酢って自分で作れるもんなんだな」
ぱくっ。
トーコの売り込みに乗って一口、カツを頬張る。
美味しい。
トーコの俺への愛がこもっていると思うと、なお美味しい。
ならば、せめてものお礼に、今夜も特別に可愛がってやらないとな。
うんうん。
一人で納得していたところ、
「あ、そういえば。
これ、夏子お姉さんに教えて貰ったレシピなんですよ?」
「なっ、…何だってぇぇっっ?!」