夫の教えるA~Z
少し一緒に身体を動かした後、トーコは最近凝っているというホットヨガ教室に、俺はトレーニングルームへとそれぞれ別れた。

件の栄養指導はおよそ1時間後。

それまでは筋トレで時間をつぶすつもりなのだが…
かなりのブランク。今日は本当に久しぶりだ。

身体づくりはモテの基本、それこそ会社に入りたてくらいまではガンガンにやっていたが、仕事が忙しくなるにつれその回数は減り、とうとう1年経たないうちにやめてしまった。

マシンに寝転がった俺は、体重の半分くらいから、ウエイトを徐々に上げていった。

「…っ、くっ」

隣に4台あるフィットネスバイクからチラ見してくる年かさの女性集団に、愛想笑いを返す余裕もなくなってきた。

それでも俺は、ウェイトをもう5kgずつ上げる。
何故ならば…

本人は隠しているつもりだが、トーコ(おくさん)はたいへんな胸肉《ムネニク》フェチなのである。

ふっふっふ、今夜は、
ほどよくパンプアップされた胸筋でメロメロになった彼女《トーコ》と、あんなことやこんなことを…

「…ん、…くっ、はあっ」
苦しさを、ひたすらエロ妄想で耐えしのいでいた時だ。


「……っ!?……ぐ、ぎごがっ!!」
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