夫の教えるA~Z
「ホー…、何だか良く分かりませんが…
マサカ…女性関係じゃあないでしょうね?」

「うーん、まあ、女性関係っちゃ女性関係だけど…ん?」


ごごごごごごご…。


なんだこの迫力は。

小さなトーコが、遠近感無用で大きく見える!



「…アキトさん…
そりゃあ私は部下時代、確かにアナタの非人道的なふるまいを、みっともない修羅場を、イヤっちゅうほと見てきました。

“あーあ。コイツ、またかよ”

心の奥で、何度毒づいたか知れません。

その性癖も承知のうえで結婚したと言われれば、そりゃあそうかも知れませんが…」

「え…な、何いってんのトーコちゃん。
女性関係って、何もそういうんじゃなくてね?」

あれ?
ダメだ、聞いてない。


「でもだからって!
結婚までしたのに、妻という名の私に対してアナタそんなにも堂々と…
ちょっとそれは、あんまりじゃなかとっ!?
う、うあーーーーんっ」

「ま、待てっ、違うっ、女は女でも実は姉…」

「ダマレ問答無用じゃぁーーーっ」



ギャーーーーーー…




あーあ。ダッセエの。



今回の俺を総括すれば、

まさに自業自得、泣きっ面に蜂。



つまるところ、



「他人のことなんか、ほっとけってことだよな…」




《T おわり》







※この後、事情を話して仲直り♥️した。
< 244 / 337 >

この作品をシェア

pagetop