夫の教えるA~Z
U バレンタインに花束を
誰かを、好きでいつづけることは難しい。
一時は、"なんとしてでも手に入れたい""これを失えば死んでしまう"とさえ思い詰めたモノでも、しばらくするとふっと忘れてしまったり、時には煩わしく感じる時さえある。
男女の間もまた然り。
最初は、あんな素敵な女に、一言でいいから声をかけられたい、相手にしてもらいたい、でも俺なんか駄目だよな、という自己嫌悪から始まり、それから己を磨いて、真摯に好かれる努力をするんだが…
それが、想いがめでたく叶い、付き合いがはじまってしばらくすれば、なせまか面倒になる。俺の場合、特に向こうが逆にあまりに熱を上げ始めると、確実に冷めてしまう。
その時、"いいお友達"で終われたらベストだが、場合によっては愛裏返しといった強い怨みをもたれることもある。
そういえば、あの時のバレンタインデーは、本当に恐ろしかった。
女の子達からありがたく頂戴したたくさんのチョコレートの中にまぎれていた、藁人形と木槌のプレゼント。
その中には髪の毛がひとふさ…
ぶるっ。
いかん、思い出してしまった。
まああれだ、それというのも俺がモテ過ぎるのが悪…
「ぎゃうっ」
「?!どうしたトーコ」