夫の教えるA~Z
「うぐ?」


うぐうぐ………


(数秒経過)


「ぷぁっ……って、何してるんですっ⁉」
「何って…キスだけど」

二の句をつげず、パクパクと口を動かしている私に、彼は素晴らしく素敵な微笑みを投げ掛けた。

「いやあ良かった。これからはもう、マックス出してもいいんだなぁ。
近頃俺の中のトーコ成分が足りないと、悩んでたとこだったんだ」

オヤ?

「何すかそれ……」

「ほら、君。初めての時、だいぶヨレヨレになってただろ。
可哀想に思って遠慮してたんだ…
でも、お前もソロソロ物足りないと思っていたなんてなぁ。
ようやく俺に慣れてきたってことか」

ウンウンと、得心したように頷いているアキトさん。

オヤオヤ?

「イヤァ、さすがに俺もハシタナイと躊躇ってたんだが…
まさか、照れ屋のトーコの方から言い出すとは思わなかった。
……俺は…嬉しいよ」

チガウ……

「これからはもう、セーブしない。全力で君を……愛するよ」

チガーーーウ‼

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