夫の教えるA~Z
「アキトさん、違っ…」 
「…トーコ……」

ファサリ。
彼がナイトウェアの上着を脱いだ。

瞬間、私は思わず息を飲んだ。

「おいで」

ベッドサイドで彼が手招きしている。

思わず、蜜の香りに引き寄せられるチョウチョのように、フラりと彼に近づいた。

そして………

気がつけば彼の中に、思いっきりダイブして

「わっ、ど、どうしたんだ⁉トーコ!」

彼のムネに、頭を擦り付けていた。

「ああんっ!ヤッパリ思ったとおりの……」

グリグリグリグリ……

「……素敵な……オムネ…」

「や、止め……」



実は私は
男性の胸筋に、強いコダワリがある。

OLとして彼の下で働いていた頃、いつも思っていた。

『オオカミ課長のシャツのシワのつき具合、いい胸板してそう…
一回でいいから思いっきりスリスリしてみた~い』
と。

同期の友達、総務の実果ちゃんに、1度その話をしたところ、ものすごく嫌そうな顔をされたため、結婚してからもずっとずっと我慢してきたのだ。

< 27 / 337 >

この作品をシェア

pagetop