夫の教えるA~Z
「うーん、それは困ったわねえ」
私の説明を聞いた夏子さんは、腕を組んで天井を仰いだ。
「受付は忙しくない時間帯だから、ちょっとくらい空けても中の事務員さんで対応できるけど…、今からトーコちゃんのマンションよって、会社に封筒を届けてここに戻って1時間半…あ~でも、都市高速《トシコー》今から混むしなあ…
うん、いいわ、今から私も1コマ空きだし。バイク2ケツで行ったげる!」
「え、いいんですか」
「いいっていいって。日頃からトーコちゃんにはお世話になってるし、なにより秋人《あのバカ》のポカだしね。
ちょっと奥平さーん(事務のおばちゃん)、トーコちゃん、今から1時間ほど受付抜けるね~」
「あいよ~」
そんなワケで私は、夏子さんの愛車ハーレー・ダビッドソンの後ろに跨り、アキトさんの会社に忘れ物を届けに行くことになった…
のだが。
「キャッ、ホオオオオオッッ」
「な、夏子さんっ、もうちょっとスピード抑えて…」
「なーに言ってんの、早く届けなきゃマズイでしょー-フゥゥゥゥッッ!!」
夏子さんは、アキトさん以上にスピード狂なのだ。
私もどちらかというとスピーディーを好むほうではあるが、さすがに限度を超えている。
小さな体が風に吹き飛ばされないよう、必死で夏子さんの腰にしがみ付き、何とか会社に着いた時にはもう、目はグルグル、平衡感覚はフラフラになっていた。
私の説明を聞いた夏子さんは、腕を組んで天井を仰いだ。
「受付は忙しくない時間帯だから、ちょっとくらい空けても中の事務員さんで対応できるけど…、今からトーコちゃんのマンションよって、会社に封筒を届けてここに戻って1時間半…あ~でも、都市高速《トシコー》今から混むしなあ…
うん、いいわ、今から私も1コマ空きだし。バイク2ケツで行ったげる!」
「え、いいんですか」
「いいっていいって。日頃からトーコちゃんにはお世話になってるし、なにより秋人《あのバカ》のポカだしね。
ちょっと奥平さーん(事務のおばちゃん)、トーコちゃん、今から1時間ほど受付抜けるね~」
「あいよ~」
そんなワケで私は、夏子さんの愛車ハーレー・ダビッドソンの後ろに跨り、アキトさんの会社に忘れ物を届けに行くことになった…
のだが。
「キャッ、ホオオオオオッッ」
「な、夏子さんっ、もうちょっとスピード抑えて…」
「なーに言ってんの、早く届けなきゃマズイでしょー-フゥゥゥゥッッ!!」
夏子さんは、アキトさん以上にスピード狂なのだ。
私もどちらかというとスピーディーを好むほうではあるが、さすがに限度を超えている。
小さな体が風に吹き飛ばされないよう、必死で夏子さんの腰にしがみ付き、何とか会社に着いた時にはもう、目はグルグル、平衡感覚はフラフラになっていた。