夫の教えるA～Z

横側から、スッと手を差し込んで髪を避ける。

かぷ。

「やっ、ダメぇ…」

更に上に覆い被さった彼は、もう1度同じトコロを唇で食む。

「弱いんですよう……ソコは」

「だからだよ。さあ、言ってみ？
それまで止めない」

柔らかな声色で問いかける。

ゾクリとする感覚に、堪らなくなった私は逃げ出すべく、四つ這いのまま方向転換を試みた。

しかし。

「うへっ」

後ろからタックルされて潰し倒されてしまった。

「逃げるな」
「ち、ちょっ…体勢ヤバイ…」

顔の両側には彼の腕。

腿のあたりを彼の膝に拘束されて、俯せに、彼の檻に貼り付けられている。

繰り返される甘噛みと、項にかかる吐息。繰り返される『トーコ』の囁きに、脚がブルブル震え始め、とうとう私は根を上げた。

「い、いい…言いますよ。
言いますから！トニカク1回止めて…」

「言ったら止めるっつったよな？」

「う……」

そうか。
このヒト…
ワザとやってるんだ！

「あ、あき……ひゃんっ」

だってさ。

「…と…さ…」

言おうとしたら…

「ん……んんっ！」

もっとやるんだもん‼


「い、言いましたから…ドイて、お願い」

「…うーん、ノイズ入ってよく分からないな。もうちょい流暢に言えないか、な」

「うきゃっ…」

ちょっと～、い、今舐めたよね？耳、ペロッて舐めたよね？ワンちゃんみたいに⁉