夫の教えるA~Z
しかし、どうしてもそちらに目がいってしまう。

ほらアナタ、ちょっとだけでもこっち見て。どうよ、私だって捨てたもんじゃ……

な、ナニイ‼

私は思わず、目を見張った。
秘書の女の子と彼が仲良く2人で釣りを始めたからだ。

私の予想では、恐らくこんな感じのやり取りの最中。


《以下、トーコのアテレコ》

『やーん、エサのウニョウニョムシさん、気持ち悪~~い~!』
『ハハハ…大丈夫ですヨ。噛みませんから…さあ、一緒に付けてみましょう』
(手、添える)

『ね?見た目はグロいですが』
『あ、本当だ。以外とカワイイ…』
(キラキラスマイル発動)
(ドキッ)

『キャー、サ、サオがピクピク動いてる~』
『ああ、早く引いて!』

(後ろに回り込みピッタリ張り付く)
『やあっ、ビンビンきてる~、引っ張られちゃう』
『ダメですよ、もっと…力を抜いて優しく…ゆっくりと…そう』
(一緒にリールを回す。もはや抱き抱える感じ)
(ポッ)

『…………』
(鈴木社長は釣りに集中)


『いや~~ん、ワカメちゃんだったあ!ウフフ』
『ハハハ、最初はそんなものですよ、さ、もう1回…』
(一番上に戻る)

以上。

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