夫の教えるA~Z
「本当、お願いしますよぉ~」

かといって、やはり自分で言うのは怖すぎる。
私は、彼への連絡&説明を何度もナツコお姉さんに念押しした。

「任せときなさい‼」
彼女はドンっと自分の胸を叩いた。

更衣室でお化粧を直し(そういえば、さっきの写真はスッピンで撮られてしまった)、着てきた服装をまあまあ整えた。

クラブのロビーの椅子に腰掛け、お姉さんの準備を待つ。
 
考えたら、お姉さんの言う通り、久しぶりの飲み会だ。
“彼への申し開き”という重圧から逃れたら、何だか楽しくなってきた。
 


しかし私は、後にイヤと言うほど知ることになる。


この時ばかりは、旦那サマの“教え”をきちんと聞いておくべきだったんだ。

そうしておけば、これから起こる悲惨な出来事は回避出来たのかも、知れない。


(H おわり →Iに続く)
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