夫の教えるA~Z
 処女のように控えめに、恥じらいを含んだ喘ぎ声。
 つまらないほど正直に、教えた通りの反応を返す。
 やがて恍惚とし始める彼女は、いつにも増して愛らしい。
 そして、それ以上に憎らしい。

 無表情に言い放った。

「…よっぽど好きなんだな、コレが。
 お前がいない間にさ、アイツ自慢げに言ってたぜ?
 だらしないな。
 あの先輩とも…こんな風にやったのか」

「そんなの…ウソっ……」

解ってるさ、そんなことは。

 だけど一旦言い始めたら、まるで本能に目覚めたみたいに、酷い言葉を止められない。

「もっといい声……だせないか。
 オマエはいっつも手ぇ抜いて、俺に甘えてばっかりだ」

 ハッと快楽から立ち返り、眉を潜めた非難の視線。あからさまな嫌悪感。

 そうさ俺は、君のそういう顔が見たかった。

「だから俺は、ちっともヌけやしねえんだ」

 さあ怒れよ、なんか言え。

 それでも黙って見つめた彼女を、俺はもっと傷つけたくなった。

 強情な。

 もどかしくベルトを外し、浅ましく屹立したソレを、欲情のまま彼女の中に押し込んだ。

 彼女が小さな悲鳴を上げた。
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