屋上カメラマン
屋上カメラマン
俺は昼休みになる度にカメラを持って屋上に向かう。誰にも見つからないように、こっそりと。グラウンドも、中庭も、向かいの校舎の中も、ここからなら自由に撮ることが出来る。一日に数枚だけ、厳選して風景を切り取るのだ。
サッカーを楽しんでいる生徒達を撮り、廊下で立ち話をしている先生を撮り、それから中庭にレンズを向ける。そこで俺は違和感を覚えた。
バレーをしている女子生徒の中に彼女がいない。名前も知らない、小柄でショートヘアが良く似合う一年生の女の子。
彼女を探してレンズ越しに学校中を眺め回した。いくら探しても見つからず、休みなのかと諦めかけた時、不意に背後からパシャッと機械的なシャッター音が聞こえてきた。
振り向くと、たった今まで俺が探していた彼女がそこに立っていた。右手に携帯を持って。
「盗撮の証拠は押さえたわ! さぁ、一緒に職員室に来なさい!」
鬼気迫る形相で近づいてきたかと思うと、いきなり俺の腕をギュッと掴んで引っ張った。もちろん力で俺に勝てるはずはなく、俺はその場に留まったままでいた。こんな偶然があるもののか、と驚いて昔のことを思い出しながら。
サッカーを楽しんでいる生徒達を撮り、廊下で立ち話をしている先生を撮り、それから中庭にレンズを向ける。そこで俺は違和感を覚えた。
バレーをしている女子生徒の中に彼女がいない。名前も知らない、小柄でショートヘアが良く似合う一年生の女の子。
彼女を探してレンズ越しに学校中を眺め回した。いくら探しても見つからず、休みなのかと諦めかけた時、不意に背後からパシャッと機械的なシャッター音が聞こえてきた。
振り向くと、たった今まで俺が探していた彼女がそこに立っていた。右手に携帯を持って。
「盗撮の証拠は押さえたわ! さぁ、一緒に職員室に来なさい!」
鬼気迫る形相で近づいてきたかと思うと、いきなり俺の腕をギュッと掴んで引っ張った。もちろん力で俺に勝てるはずはなく、俺はその場に留まったままでいた。こんな偶然があるもののか、と驚いて昔のことを思い出しながら。