ツインクロス
(なっ…いったい何のハナシをしてるんだっ!?)
そうツッコミを入れたいのを我慢して、冬樹は心の内で叫んだ。
夏樹のことで、そこまで『兄である筈の自分』がムキになるのもおかしいと思ったからだ。もとより、咳込んでいて言葉を発することが出来る状態ではなかったが。
「大丈夫か?冬樹…」
長瀬と共に心配げに声を掛けて来る雅耶に、冬樹は俯いて咳込みながらも手振りで『大丈夫』だと告げる。
そんな冬樹の様子を横目で眺めながらも、力は引き下がろうとせず、挑発的な笑みを浮かべた。
「何だ、答えられないのか。お前にとって夏樹はその程度だったってことか」
そんな力の言葉に。
雅耶は一つ溜息を吐くと、特に気にしていない風にトレー上の箸へと手を伸ばした。
「何で突然、そんな風に答えを迫られなくちゃいけないのか解らないんだけど…」
普通に会話をしながら、ご飯を食べ始める。
長瀬も冬樹も、雅耶につられるようにおずおずと食事を始めた。
そこで再び、雅耶がゆっくりと口を開いた。
「言っとくけど、俺にとってはまだ過去形じゃないんだよね。今でも変わらない。夏樹のことを一番大切に想ってる」
「わお!雅耶、カッコイイ!!」
力に対して宣言するように言った雅耶に、すかさず長瀬の茶々が入る。
「……っ…」
会話に耳を傾けながらも食事をしていた冬樹は、思わず食べ物を喉に詰まらせそうになった。
(…ちょ、ちょっと!何なのこの展開…)
慌てつつも、変に動揺していても怪しまれるので冬樹は下を向いて胸を軽くトントンと拳で叩きながら、再び咳込んでいた。
その横で会話は続けられる。
「それって、まだ諦めてないってことか?」
「…そうだね」
穏やかに答える雅耶に、力は暫く驚いたように動きを止めていたが、気持ちを切り替えたのか「そうか…」と呟いて、やっと食事へと手を伸ばした。
「俺も夏樹が本当に大好きだったからさ、お前のその気持ちには共感出来るし、好感も持てる。でも、あの事故を俺みたいに目の当たりにしてしまったら、そんなこと言っていられないんだろうな…」
と、力は痛々しげに呟いた。
その言葉に大きく反応したのは冬樹だった。
「力…お前、もしかしてあの時…」
「ああ。俺は、あの事故を目の前で見た。おじさん達が乗った車の後ろを別の車で走っていたんだ…」
そうツッコミを入れたいのを我慢して、冬樹は心の内で叫んだ。
夏樹のことで、そこまで『兄である筈の自分』がムキになるのもおかしいと思ったからだ。もとより、咳込んでいて言葉を発することが出来る状態ではなかったが。
「大丈夫か?冬樹…」
長瀬と共に心配げに声を掛けて来る雅耶に、冬樹は俯いて咳込みながらも手振りで『大丈夫』だと告げる。
そんな冬樹の様子を横目で眺めながらも、力は引き下がろうとせず、挑発的な笑みを浮かべた。
「何だ、答えられないのか。お前にとって夏樹はその程度だったってことか」
そんな力の言葉に。
雅耶は一つ溜息を吐くと、特に気にしていない風にトレー上の箸へと手を伸ばした。
「何で突然、そんな風に答えを迫られなくちゃいけないのか解らないんだけど…」
普通に会話をしながら、ご飯を食べ始める。
長瀬も冬樹も、雅耶につられるようにおずおずと食事を始めた。
そこで再び、雅耶がゆっくりと口を開いた。
「言っとくけど、俺にとってはまだ過去形じゃないんだよね。今でも変わらない。夏樹のことを一番大切に想ってる」
「わお!雅耶、カッコイイ!!」
力に対して宣言するように言った雅耶に、すかさず長瀬の茶々が入る。
「……っ…」
会話に耳を傾けながらも食事をしていた冬樹は、思わず食べ物を喉に詰まらせそうになった。
(…ちょ、ちょっと!何なのこの展開…)
慌てつつも、変に動揺していても怪しまれるので冬樹は下を向いて胸を軽くトントンと拳で叩きながら、再び咳込んでいた。
その横で会話は続けられる。
「それって、まだ諦めてないってことか?」
「…そうだね」
穏やかに答える雅耶に、力は暫く驚いたように動きを止めていたが、気持ちを切り替えたのか「そうか…」と呟いて、やっと食事へと手を伸ばした。
「俺も夏樹が本当に大好きだったからさ、お前のその気持ちには共感出来るし、好感も持てる。でも、あの事故を俺みたいに目の当たりにしてしまったら、そんなこと言っていられないんだろうな…」
と、力は痛々しげに呟いた。
その言葉に大きく反応したのは冬樹だった。
「力…お前、もしかしてあの時…」
「ああ。俺は、あの事故を目の前で見た。おじさん達が乗った車の後ろを別の車で走っていたんだ…」