ひとつの村が消えてしまった話をする
歩き出して5分程経った時の事だった。

獣道へ出た。

「この獣道で合ってたか?」

「多分そうだと思う、時間的に」

「どうする?」

葵が俺の顔を見る。

「確認する為に、この先にある筈の障芽池まで行くっていうのは?」

「だな」

頷く滋。

「障芽池にあまり近づかないようにね」

俺と滋は、そもそも障芽池を見た事すら無く、葵自身も小さい頃に一度両親と行ったきりだそうだ。

だから、障芽池に続く道かも分からなかったから、祠に行く前に確かめる必要があった。

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