ひとつの村が消えてしまった話をする
この辿静祭に関する禁が、いつから村に存在するのかは分からないが、村人の先祖達が子孫を思って、この禁を伝えてきた事には変わりない。

禁を破ってしまった場合どうなるか、当時の俺は知る由も無かった。

第一の禁にある障芽池についてだが、この池は村に古くから伝わる池で、障芽池は鬼の住む巣窟に繋がっていると伝えられている。

この伝承は、障芽池の鬼伝説と呼ばれている。

障芽池の森は代々神主一族に管理されており、神主一族以外の村人が周囲に無断で立ち入る事は禁止されている。

神主一族が管理する障芽池には、5重の注連縄と5つの祠が存在し、これらは障芽池を封印しているそうだ。

8月14日は、第一の禁に従い、神主一族以外の者は障芽池の森に立ち入る事が出来なくなるように、厳重に有刺鉄線で障芽池の森の周囲を覆ってしまう為、障芽池は完全に封鎖される。

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