ひとつの村が消えてしまった話をする
8月15日、午後5時。

神主の話から2時間が経った。

あの話を村人が聞いてから、村中は大騒ぎになっていた。

逃げ出す用意をする者、ここに残ると主張する者、揉める者、あちらこちらで見られた。

俺の家族は、葵の家族(神主一族)と共に、この近辺で一番大きな町のホテルへ一時的に移動する事となった。

学校も変わるそうだ。

「村ともお別れだね」

「そうだな…」

「この村、どうなっちゃうのかな」

…それは、俺にもどうなるかは分からない。

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