ひとつの村が消えてしまった話をする
8月15日、午後7時。

俺と葵の一族を乗せた車両が村を離れた。

同時に、両一族の重要な物や必要な物を乗せた大型車両も村を出た。

…何か忘れているような気がする、こんな結末になる最初の段階の辺りで、何か気付いていなかったか?

心の中で呟いてみる。

「何か忘れ物?」

葵が訊ねる。

「いや…気のせいだったみたいだ」

俺はあまり思いつめないようにした。

そして俺と葵は、村を後にした。

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