ひとつの村が消えてしまった話をする
それから数日後、葵の両親、そして俺の両親は交通事故で他界した。

葵と俺の両親が死んだ時刻は、場所は違えど殆ど一緒だった。

『ある交差点の交通事故で即死』

施設の管理者からそう伝えられた俺と葵は、涙が枯れるまで泣きじゃくった。

俺達は長い夢を見ているんじゃないかと。

その数日後、俺の祖父母と曾祖夫母が、放火による火災で他界。

更に数日後、残った葵の親族全員があの村に行き、一家心中したとの事だ。

正直怖くて、葵と俺はテレビを見なかったが、記事になっただろうと思う。

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