私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
友達になってください
家の方向に向かって男の子の手を掴んだまま走り続ける。
だいぶ走って、家の近くの公園まで来てやっと足を止めた。
警察は追いかけてこなかった。
まぁ、薬物らしきものを目の前にしておきながら私たちを追って来ないよね。
息を整えて顔を上げる。
瞬と男の子の手を両側から掴んでいたみたい。私が握る右手は赤いままだった。
「…いつまで繋いでんの」
「ッご、ごめんなさい!」
思わず手を離すと、男の子は赤い手を払ってそれを取ろうとしてるらしいけど、絶対無理だと思う。
男の子はまあいっかと言うようにその手を腰に当てる。