私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「…う」
「あ、夏樹くん?分かる??」
「…ッ!?」
ぼんやりと目を覚ました夏樹くんはなぜか私の顔を見ると飛び起きた。
…なんで?
きょろきょろと周りを見た夏樹くんは、急に息を吐いてふらっとする。
肩を支えると、夏樹くんの瞳に自分の顔が映る。
な、なんか恥ずかしいんですけど…。
「…なんで、いるの?」
「夏樹くん、商店街の人たちに抱えられてきたんだよ。覚えてない?」
「…」
まだ意識がはっきりしないのかな。
視線がちゃんと定まってなくて、もたれかかって来てる。
頭を撫でると、髪の毛がフワフワしてた。なんかかわいい…。
「おかゆ食べれる?それとも食べたいのある?」
「…」
「…おかゆ食べよっか。大丈夫だよ。ここは安全だからね」
何となくそんなことを言って、夏樹くんを寝かせて作っておいたおかゆを持ってくる。
ちょこっとずつだけど食べてくれて、またすぐに寝ちゃった。