私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「…ん」
「え?」
手を差し出すと夏樹くんは戸惑ったような声を出して私と手を見比べる。
だから、にっこり笑う。
「友達になってください」
「え?」
「友達になってください」
「な…は?」
「もう!何回言わせるの!友達になってください!嫌?」
「い、嫌じゃないけど…」
「じゃあ握手!」
「ハイ…」
ぎゅっと手を握る。まだ戸惑ったような顔を浮かべる夏樹くんに笑いかける。
「友達は赤の他人じゃないもんね。友達だから、助けた。理由は不十分?」
夏樹くんは目を見開いて固まっていたけど、様子を見ていた瞬も私と夏樹くんがつないでる手に自分の手を重ねる。
「はい、俺も友達」
「ね?」
流石瞬だ。笑ってる瞬に微笑んで、夏樹くんにもう1度笑いかける。