私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
夏樹くんは呆然とした顔を浮かべていたけど、なぜかだんだん目がうるんでいく。
あれと思った時には、夏樹くんの目から涙がこぼれ落ちて、頬を伝っていく。
堰を切ったようにぼろぼろ落ちていく涙をそのままに夏樹くんは声を詰まらせてうつむいてしまう。
「え?え、な!?どうしたの?友達嫌だった?うどんが辛かった???」
「ッがと…あり、がとう…」
「え?」
「…っ俺、そんな、こと…言われたこと…なかったから…」
繋いでいる手がぎゅっと握られる。
涙をぬぐわないでそのままにする夏樹くんは嗚咽を堪えながら泣き続ける。
空いてる手で頭を撫でると、簡単に動いたから抱き寄せて肩に頭を乗せて、撫でる。
つないだ手は、ぎゅっと握り返す。
「もう、1人じゃないよ」
「ッ…うん」
夏樹くんが泣き止むまでずっと待つ。
瞬もしょうがないって顔をしてて、一緒に待ち続ける。
夏樹くんが泣き止んだ頃にはうどんは冷めてて、ケラケラ笑いながら食べた。