私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「秋奈、大丈夫?」
おばさんが伸ばした手を払った秋はそのまま駅の方へ歩いて行こうとする。
って、自分で帰る気か…。
「ちょっと秋奈!どこ行くの」
おばさんの声について来るなと言わんばかりの視線を送ってくる秋。
相当イライラしてるらしい。
でも、おばさんが手掴みに行って、強引に引っ張られてくる。
けがが完治してないせいで踏ん張れないんだろうな…。
「ほら、乗って。瞬桜くんも」
「あぁ…はい」
日が経つにつれて秋が反抗的になってる気がする…。
車に押し込められた秋が不機嫌な顔で窓の外を見つめていて、こっちを見ない。
おばさんが運転席に回って車が動き出しても秋は外を睨んだままだ。