私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 大貴の服を離してうつむく。泣くな、泣いたってしょうがないんだ。

 唇を強く噛んで、耐えることに専念した。

「…秋奈、もしかしてお前声が…」

「え?」

「…あぁ、目が覚めたら、こうなってた」

 ノンタンが言ったことは事実なのに1粒頬を流れて行った。

 それに気づかれないように拭って頷いた。

「だから、復帰できないのか…」

「…秋奈、志季のことは俺らに任せろ!絶対に守り抜いてやっからな!」

「お前が言うな。1番寝込んでたくせに」

「無茶して倒れた紀仁に言われたくねぇよ」

「ケンカする元気あるなら大丈夫だな」

 取っ組み合いを始めたノンタンと大貴に瞬が呆れたように言う。

 ケンカ…か。
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