私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
あの時のまま
翌日、テストが終わって帰りの部活も再開した。
その中をそそくさとさながら忍者のように移動して、裏門を目指す。
正門には呼んでもないのに多分お母さんがいるから、裏門からこっそり出て、駅まで行って商店街の最寄駅まで行く。
それが昨日考えた作戦。
瞬は部活行くかなって思ったけど、まだ怪我で満足に動けないからと言う理由で私に付き合ってくれてる。
とりあえず今のところお母さんに見つかってないし、他の部活の子たちにも騒がれてないから順調。
まぁ、とは言っても裏門は道場の裏にあって、他の部活の人も来ないから大丈夫なんだけどね。
ただ、閉鎖されてるからよじ登らなきゃいけないけど…。
裏門の前まで来て、早速門をよじ登る。
よい子のみんなは真似しちゃダメ。絶対。
門がそんなに高くなかったから意外と簡単によじ登れて、学校から出れた。
「不良かよ」
瞬がボソッとそんなこと言ったけど、これ以外お母さんに見つからず行ける方法を思いつけなかったんだもん。
気を取り直して早速駅に向かって歩き出すと、瞬も少しだけ楽しげな顔でついて来た。
瞬も楽しそうじゃんか。
「今日だけならいっか」
誤魔化された。瞬変なとこで意地っ張りなんだから。
正門には一切近づかず、念を入れて大通りも通らずに学校の最寄までたどり着いた。