私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 シャッターを開けたまま中に入ると、ムッとした空気が体を包み込んで気持ちが悪い。

 シャッター近くが結構ひどい。

 血の跡もだけど、もともと置いてあった角材や座布団とかがあちこちに散らばってる。

 やっぱり、たまり場で何かあったのは間違いないんだ。

 奥に足を踏み入れていくと、階段下に大きな血だまりの跡を見つける。

 それを見た瞬間、頭にズキッと痛みが走る。ネットの上から頭の傷に触れる。

 ここの階段から落ちた…。

 階段を見上げると、途中に血の跡の付いた踏み板があった。

 階段を上って2階に行くと、こっちには血の跡はないけど、ソファーの位置がずれてた。

 それに、折れた木刀が1本。

『こんなもんか?』

 首から上がシルエットになった男が木刀を真っ2つにへし折った。

 顔も見えないのに、なぜか全身に緊張が走った。
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