私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

お泊り会


「…で、なんでこうなったんだよ!」

「どっかの誰かさんの家出を止めるため」

「家出って、ここ秋奈んちだろ」

「うんそうだよ。でも今は夏の貸家だもんね」

「うぐ…」

「諦めろ夏樹。お前が悪い」

 というわけで、早速その日から夏の家出防止策として泊まり込みすることに。

 お布団は言ったらみんなが貸してくれて、ついでに売れ残りもくれたから夜ごはんはそれで作るんだ。

 八百屋の2階部分は居住スペースになってて、2部屋ある。

 商店街のメイン通り側が寝室で、奥が台所兼ダイニング。トイレとお風呂は1階にあるけど結構古くて狭い。

 まぁ、昔ながらって言えばそれでおしまいだけどね。

「で、秋奈は男2人のところに女の子1人で来ちゃったわけ?」

「何か問題ある?」

「…なぁ、瞬桜、これいいのか?」

「うるさい」
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