私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
放課後、担任に言われるがままに校長室に向かう。職員室では少し騒然となってるみたいだ。
ドアをノックして校長室のドアを開けると、校長先生と守本先生が向かい合って座ってた。
「宮田さん、こっちへ」
呼ばれたのは校長先生側。校長先生に歩み寄ると、座りなさいと言われて頭を下げてから座る。
そこへ担任もやって来て、少し慌てた様子で背もたれもないソファーに座る。
「それで、守本先生、さっきのお話は本気ですか?」
「もちろんだ。…宮田秋奈さん、アメリカの大学へ飛び級しないか」
アメリカ…飛び級!?
思わずぽかんと口を開けると、守本先生は説明を始めてくれた。
知り合いの医者で私の話を聞いたこと。興味が出て学校まで押しかけてきたこと。さっきのを見て、自分の研究室に呼んでみたいと思ったこと…。
そんな褒められるようなことしたわけじゃないのに…。
「聞けば成績優秀と言うじゃないか。キミなら高認も取れるだろう。今、キミが抱えているのも何となく先生方に聞いた。僕にも協力させてほしい」
守本先生は本気のようで、カバンの中から大学のパンフレットまで出してこれが僕の学部と言って見せてくれたページには完全に医学部だった…。