私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「やっぱ、秋奈には敵わないなぁ…」

「…夏?」

「…でも、これは俺も譲れないんだ」

 お腹に強い衝撃が走る。

 一気に視界がかすんで夏の顔がよく見えない…。

「な…つ…」

「…ありがと。嬉しかった」

 泣き笑いのような、そんな顔が見えたのが最後。

 かろうじて繋いでいた意識を手放してしまった。
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