私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
ほぼ走りっぱなしで紫炎のたまり場まで戻ってきた。上がった息を整えないまま、倉庫の中に足を進めていく。
「いやぁぁあああ!!」
「ぎゃははっ」
「うわぁぁあああ!!」
「助けてぇぇ!!」
まるで、地獄だ。
あちこちで上がる悲鳴、嫌らしい音、笑い声。ここは、腐ってる…。
たまり場の中をまっすぐに突っ切っていく。
「あ?夏樹ぃ、なんだ?さっきの女もう飽きたのか」
「俺に貸せよぉ、なぁ?」
知らない女を寄ってたかって襲ってる奴らが俺に気づく。
その中にはさっき秋奈に手を出した奴がいて、殴りそうになったのを押さえる。
こいつらに何言っても無駄だ。薬でイカレテル。
女の方も打たれたのか何されてもされるがままみたいだ。
何もかもを無視して階段を上がる。
階段を上がった2階にある部屋は、幹部の奴らの部屋。
そのドアを開けて中に入る。