私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 しばらく歩いてやっといたそいつらは紫炎の奴らで、思わず足を止める。

 ッチ、紫炎かよ…。

 絡まれてんのはまた真面目そうな男と女。

「…ッもうやめて!何でもするから!!」

「ッ!?バカ何言ってんだよ!!」

 女の方が叫んで、男の方が驚いた顔をする。

 へぇ、結構度胸あるんだ、あの女の子…。

 本当に気まぐれだった。

 女の子の首に腕を回してる奴に近づいていく。

「…へぇ、楽しそうなことしてんじゃん」

 声をかけると、男の方が振り返って、女の子も一緒に振り返る。

 へぇ、結構かわいい感じ?一晩の相手にしてみたいかも。

 女の子にじっと見つめられて、嫌な気分はしなかった。

「…お、お前、…夏樹!?」

「ナツキ…?」

 やっぱ気づかれるか。睨みたいけど、女の怖がらせるのもなぁ。だから口角を上げて近づいていく。

「てめぇ、今までどこにいやがった!!あの人が探して…」

「知らねぇよ。それより、俺も混ぜろよ」

 女の子の表情が歪む。

 …勘違いしてるっぽいけど、まぁもう少し我慢してて。
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