私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
唇を舐める。興奮してるせいか、わくわくしてくる。
「てめぇ、夏樹!!」
「ほら、行けって。ここのことは全部、忘れちまえ」
また動かねぇの?巻き込むの面倒なんだけど。
早くどっか行ってくんねぇかな。
「…秋、行くぞ」
「で、でも…」
「いいから!」
そうそ。それでいいんだよ。
女の子が一瞬俺を見たけど、男に背中を押されて走っていく。
それでいいんだよ。
もう会うこともないと思うけど、あんたみたいなきれいな子はこっちに来るべきじゃない。俺の心配なんかしなくていいんだ。
「俺なんか、どこでのたれ死んでも誰も困らない」
むしろ、あんたに心配されて光栄?
まぁ、俺には関係ねぇか。
向かってきた男たちを見据えて、拳に力を込めた。