私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「ッカハ…」
「うぅ…」
どれだけ殴り合ったんだろう。
だけど、俺以外の奴はみんなそこら辺に転がっていた。
勝った。なのに、なんだよこのもやもや。なんで消えねぇんだよ。
すでに戦意がない奴らに向かって拳を落とす。
そのたびになんかが舞うけど気にならない。
ただ胸の奥にあるもやもやを消したくて、殴り続けた。
なんか足音がする…。
そっちに視線を向けると、多分警察と、さっきの女の子と男がいた。
なんで、戻って来るかなぁ…。よくわかんねぇ女。
「…ッキミ!傷害罪の現行犯で…」
我に返った警察が手錠を出して近づいてくる。
まぁ、そうなるよなぁ。でも、なんかどっかで安心してた。
もう、こんな生活しなくてもよくなら、捕まってもいいかもしんねぇし。