私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「えっと…。とりあえず、ご飯食べていく?瞬桜くんも」

「え?あ…は、はい」

 男の方が返事をして、なんか家に上がる。

 …俺に視線を向けてるってことも俺も?

 一応靴脱いで、家に上がって、女の子に連れて行かれるままに歩く。

「あ、キミ!お風呂入っておいで」

「え?」

「いいからいいから!着替えは用意するから、ね!」

 母親が急に俺を見てそんなことを言い出して、拒否するまもなく風呂場らしいところに連れてかれて、どっからか出してきた着替え一式と一緒に放り込まれて、ドアを閉められた。

 …入れってことですか。まぁ、だいぶ入ってなかったし、シャワーだけ借りるか…。

 服脱ぐと、大分傷だらけになってることに気づいて苦笑する。

 まぁ、ケンカしまくってたし、しょうがねぇか。

 熱いお湯を頭からかぶって、勝手に深いため息が出る。結構、きてたんだな…。

 よくわかんねぇ展開ばっかだけど、これは感謝しなきゃな…。

 血とかを流して、風呂を出る。

 服は…前のは血まみれで汚い。着ていいって言ってたし、貰っとくか…。

 用意してくれた方に袖を通して、廊下に出た。
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