私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「かわいい顔して、悪魔か」

「え?」

 女の子を睨むと、何言ってるのと言わんばかりに首をかしげてる。

 男の方が少し苦笑いで、憐れむ様にみられる。

「手当以外の時は赤くなるから心配すんな」

「なんだそれ」

「え?」

 性格変わるってあながち間違ってねぇかも。

 女の子はなんか勘違いしたのか膨れっ面になってた。

「できたよ」

「あ、お母さんありがと」

 母親が持って来たのは多分うどん。

 女の子がどんぶりと箸を並べて、呼ばれるままに席に着く。

『夏樹、おうどん好きねぇ』

 ばあちゃん…。俺が風邪ひく度に作ってくれたっけ…。

 紫炎に行ってから全く食べてなかったからなんか懐かしい。

 食べると、ばあちゃんのうどんとは全然違うのに、勝手に涙がこみ上げてくる。

 こんな、熱いの、久しぶりだ…。

 女の子たちも黙々と食べてたから、遠慮なく食べ続けた。
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