私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「で、お前何歳?」

「んあ?あぁ、15」

 男の方に声をかけられたのは、うどんを食べ終えてから。

 歳って、聞かれたの久しぶりなんだけど。そして女の子なんでほっとした顔してんだ?

「高校?」

「いや?中学」

「なら同級か」

 へぇ、こいつらと同い年だったんだ。

 別に上とか下とか特に考えてなかったけど。

「なんであそこにいたんだよ」

「は?不良にんなこと聞くのか?」

「…だな」

「ねぇ、名前は?私は宮田秋奈。こっちは永井瞬桜」

 女の子の質問に思わず言おうか悩む。

 もし、兄貴にまで伝わったら…。でも、ここまでよくしてもらって、嘘をつくのはなんか、嫌だった。

「…山下、夏樹」

「夏樹くん?よろしくね」

 よろしくって、女の子やっぱ天然なのか?

 もう、よろしくするようなことねぇんだから…。
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