私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

2人の隠し事 立花side


 蒸し暑い外。

 商店街のメイン通りから少し外れた人気のない路地裏の日陰で待つ。

 メールで呼び出してから5分くらい経った。なのに来ないことに少しイライラする。

「六花?…どこ隠れてんだ」

「うるさい。遅い。暑い」

「秋奈と瞬桜に見張られてて2人が休憩入るまで来れなかったんだよ」

「うるさい」

「はいはい。俺が悪いですよ」

 夏樹のくせにムカつく…。

 こんなこと話すために呼び出したわけじゃない。分かってるけどムカつく。

「で、昨日は?」

「それは問題ない。秋奈も瞬桜もすぐ寝たし、起きねぇし…」

 抜け出したことも気づいてねぇと思うと続けた夏樹はちょっと苦笑交じり。

 まぁ、見張ると言いながら全然見張れてないからしょうがない。
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