私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 友達…。そんなの小学生以来、いなくて、まさかこんな簡単にできるもんだなんて知らなくて…。

 でも、戸惑ってるはずなのに、それ以上に嬉しかったんだ。

 手に何か落ちる。それが涙だって気づいた瞬間、止まらなくなって涙が止まらなくなる。

 だっせぇ、こんな泣くなんて、ダサすぎだろ…。

 止めたいのに止まらなくて、涙がどんどん流れていく。

「え?え、な!?どうしたの?友達嫌だった?うどんが辛かった???」

「ッがと…あり、がとう…」

「え?」

「…っ俺、そんな、こと…言われたこと…なかったから…」

 女の子はこんな時にも天然で、笑いたいのに泣くのが精いっぱいで、全然笑えねぇ。

 手を握ると、頭を撫でられる。

 そのまま引き寄せられて、女の子の肩に額をつけ、頭を撫でてくれる。

「もう、1人じゃないよ」

「ッ…うん」

 1人じゃない。そう言われたことに安心して、また涙がこぼれていく。

 俺が泣き止むまでずっと女の子は待っていてくれた。

 やっと泣き止んだら、うどんは冷めてて、女の子が笑うから、つられて笑った。
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