私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
たまり場に着けば、昼間より活気づいたそこはもうまさに地獄絵図だ。
目に映るすべてを無視して階段を上がり、幹部室の扉を開ける。
「おかえり、夏樹。お使いお疲れ」
「…」
部屋にいるのはリツキだけ。
兄貴は、部屋で寝てんのか?
ドアを閉めて机の上にボストンバックを2つ置いてソファーに座る。
「あれ、回収してこなかったの?」
「どこ探してもいねぇから諦めた。大方、警察じゃねぇの?どのチームからも連絡来てねぇだろ」
「そっか。まぁ、なら戻って来れないね」
リツキはまるで興味ないように言って、カバンのファスナーを開ける。
そこから出てくる大量の薬はとても高校生が買える…いや、大人でもこんなに持てないはずの量が出てくる。
まじで何者なんだよ。こいつは…。