私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
小さな訪問者
翌日、学校には行ったけど、喋れないふりで記憶も戻ってないようにしたまま過ごした。
だから、六花と瞬は私が記憶も声も戻ってることをまだ知らない。
まぁ、2人に知られないようにするためにわざとだったけど。
学校帰りに直接志季に来た。
記憶と声が戻ったから大丈夫って、お母さんを説得して、堂々来た。
もう過保護になんかさせないんだから。
「秋奈、こっち来ても大丈夫なの?」
「うん。全然平気」
みんなはもう昨日の時点で事情を知ってるから普通に声をかけてくれる。
心配からか声をかけてくれたノンタンはそっかって笑ってくれた。
「で、早速で悪いんだけど…。秋奈に客が来てる」
「へ?」
「今たまり場で大貴が一緒に待ってる。だから、行ってやって」
「…分かった」
本当に、早速過ぎる。
…というより、お客さんって誰だろ。
まぁ、行けばわかるよね。
ノンタンに手を振って、急いでたまり場に向かって走った。