私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
たまり場まで来て、中に入る前に息を整える。
体力落ちてる?まぁ、ずっと車で登校してたししょうがないか。
シャッターは開けっ放しだけど中には誰もいない。
いすないから2階に上がってるかな?
中に入ってみると2階から足音がして、階段から大貴が顔を出す。
「あれ、秋奈大丈夫なのか?」
「大丈夫。で、お客さんって?」
「あぁ、上にいるぜ。んじゃ、俺戻るな」
階段を軽い調子で飛び降りた大貴と交代して2階に上がる。
ソファーに1人の男の子。まだ小さい。中学生…?
それにどっかで見たことあるような。
男の子は立ち上がって、頭を下げてくる。
「こ、こんにちは!」
「こんにちは。で、どうしたの?」
単刀直入に話しに入る。やらなきゃいけないことあるし…。
男の子は頭を上げると、少し迷ったように私を見る。
…それにしても、この子誰かに似てるような…。