私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「さてと、全員揃ったところで。始めようか」

 リツキの一言で一気に雰囲気が変わる。

 兄貴も、リツキも他の奴も俺を見てくる。

 …なんだ。

「…裏切り者には、制裁を…ね」

 リツキの一言は完全に俺に向けられている。

 …な、裏切り者…?

「な、何が!?俺は何も…」

「やれ」

「ッ!?」

 兄貴の一言で動き出したのは小柄な奴。

 楽しそうに殴りかかってくるのを避けながら、ドアから遠ざけられてることに気づく。くっそ。

「はい、後ろがら空き」

「ッあ゛!?」

 背中に膝蹴りされて勢いに押されて倒れる。

 床倒れ込んだ瞬間、あちこちから足が飛んでくる。

 裏切り者って、なんだよ…。

 俺は、何もしてねぇって言ってんのにッ!!
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