私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「っかは…」
っ…重い。
腹を横断するように食い込む木刀。
勢いを殺さないまま、木刀を振り払う。
大きな音を立てて階段横に積まれていた段ボールが崩れる。
男の人は泡吹いて倒れてるけど…。
死んでないよね。あはは…。
ぴくぴく動いてるし、うん。大丈夫だ。
…あれ。さっきまで騒がしかったのに、なんか静かなような…。
振り返れば、さっきまで見向きもされてなかったのに、何だか大注目浴びちゃってる。
「…やば」
まさか、全員殴り掛かって来るんじゃ…?
半歩足を引いて、異様に静かなこの状況を見つめた。
「…てめぇ、何しやがる!!」
「なめた真似してんじゃねぇぞ!!!」
予想的中?一気に殺気をまとわせて向かってくる人10人くらい?
木刀を両手で構え、向かってくる人たちに向かって走り出す。