私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
でも、かわしてるつもりだったけど、背中とか結構痛い。
息もだいぶ上がってるし、辛い。
残りが幹部だけって言っても、この状況でどこまでやれるか…。
「はぁ…はぁ…」
「…女の子にしては、結構やった方だと思うけどねぇ」
天パの奴がバカにしたように言ってくる。
挑発か?本心か…?
どちらにせよ、やるしかないんだ。
やらなきゃ、夏を取り返せない。
木刀を構え、目の前の敵に意識を集中させる。
…あれ、そう言えばあの細い奴はどこに…。
どこにもいない。どうして…。
突然背後に現れた気配。
振り返る前に首を絞められ、木刀を落としてしまう。
「ッ!?」
やばい…。一気に遠ざかっていく気配。同時に体が急に重くなる。
「やれやれ、やぁっと大人しくなったかな」
天然パーマの人が近づいてくる。
首に回った腕はびくともしなくて、爪を立てても表情すら変えない。
「あんなめちゃくちゃに暴れてくれちゃって、覚悟はできてるんだよね?」
目の前に来た天然パーマの人が嫌らしく笑う。
その顔に吐き気がする。