私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「あれ?私は?」
「秋奈にはただこういうのやんぞって教えるために呼んだだけだ」
「何それ!」
「まぁまぁ。配達は男子にやらせっから。2人に試験させんだよ」
なんかひどい。
だけど、この暑い中自転車で駆け回るのも嫌だ…。
うん、お留守番でいいや。
「あ、配達用の自転車はちゃりじぃの店だ」
「んじゃ、ちゃりじぃちゃんの店に行こう!」
お留守番とはいえ、見送りくらいしたいもんね。
みんなとちゃりじぃの店に行って、自転車を出してくる。
配達用の自転車は学生の通学用の自転車みたいで、ピッカピカだ。
ただ、前と後ろ両方にかごがついてた。
「代金は行ってもらってこい。おつりと伝票はカバンに入ってるからよ」
「2人で行けよ。慌てずに行って来い」
「え、秋ん家とうおさん家逆じゃないっすか」
「配達は2人1組なんだよ!とにかく行って来い!」
「ひでぇ…」
ぶつぶつ言いつつも、2人は自転車に乗って商店街を出て行った。
それを見送って、また日陰に入る。