私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「秋奈!」
「おい!大丈夫か!!」
肩を掴まれて揺さぶられる。
目の前には、いないはずの2人がいて…。
勝手にこみ上げてきたものを堪えて、2人を見上げる。
「ノンタン…大貴…」
「って、こんな時までノンタンか」
「いや、そこどーでもいいだろ!」
急に表情が崩れたノンタンと大貴は安心したように笑う。
でも、どうして2人がここに…。
じっと見上げていると突然頭を叩かれて思わず頭を覆う。
「あんたはバカなのか!!!」
思いっきり怒鳴られて顔を向けると、直斗さんがものすごく怒った顔で睨んできてて、血の気が去っていくのが何となく自分でも分かる。
「踏み込むなっつただろ!!なのになんで1人で行く!自分がどれだけ危険なことしてんのか分かってんのか!!!」
直斗さんの怒鳴り声に勝手に体がびくついて、自然とノンタンと大貴に手を伸ばすけど、その手も掴まれて2人から特上の笑顔を向けられてしまう。