私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「だよなぁ~。秋奈、俺ら舐めてんの?」

「保脅したあげく、弟に意味わかんねぇ伝言残して消えるとか。俺らがどんだけ焦ったか分かるか?お?」

 こ、怖い。怖すぎる!!

 普段とは想像もつかないような気を出す2人に後ずさりするけど、逃がしてくれるわけもなく、腕を掴まれたままにっこにこな笑顔を向けられる。

「わかんねぇよなぁ。公道100キロオーバーで信号全部無視して突っ走ってきた俺らの気持ちなんか、なぁんも分かってねぇよなぁ。秋奈さん?」

「そ、それは交通違反…」

「「「あぁ!?」」」

「っひぃ!?」

 3人同時に迫らないで…。

 ノンタンはとにかく、直斗さんと大貴は完全に不良くんにしか見えないんだから!!

 ここにトーマスがいなくてよかった。うん。

「呼んだか?」

「…………………どひゃあ!?」

 い、いつの間に…。

 背後に立ってたトーマスは無言の圧力と言わんばかりに無表情で睨みつけてくる。

 怖い怖い怖い!!!

 で、でもなんでここに…。

 聞いたら殺されそう。ううん。今から殺されそう。

 仲間に殺されるとか意味わかんないね。あはは…。
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