私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
みんな、ごめん。…でも、ありがとう。
気持ちを落ち着かせて、紫炎に、彼らに向き合う。
「恭也さん、仕切り直しってことでいいですか?」
「…ッチ」
仕切り直しと言っても、立ち上がった人のほとんどが怪我してるし、実質無傷なのはリツキって人だけ。
無言で睨み合う中、目を閉じて息を整える。
胸の奥でうごめき続ける思考に制限を加えるため。
みんなが示し合わせたように志季の名の入った黒ジャージを羽織っている。
それが目印になる。
目を開ける。
敵と味方の判断は叩き込んだ。
空になった袋を肩から外して床に捨て置く。
瞬が思い出したように肩にかけてくれたジャージに袖を通し、恭也に視線を向ける。
「紫炎を潰す!行くよ!!」
「おぉ!!」
頼もしい声と共に駆け出していくみんな。
立ち上がった人たちがまた床に沈んでいくのを傍目に、瞬と共に恭也に切り込んでいく。
「修羅、7割!」
思考が堕ちる。でも、己は見失わない。